ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

夏の甲子園の切符を手にしたのは、強豪私立のうちの一校だった。
二年連続出場だ。

桜花高校もこの高校に準決勝で敗れ涙をのみ、あの真田くんがいても簡単には出場できないという厳しい現実を思い知らされた。


高校野球には、秋の大会もある。
三年生が抜け新体制で初めて挑む試合は、春の甲子園への切符争いとなる。


早々に甲子園への道を閉ざされてしまった旭日高校野球部は、その秋季大会に向けて練習を開始した。

でも、まったく覇気がない。


球拾いばかりさせられていた一年生も、やっと練習らしい練習に加わることができるようになり、もしかしたら皆の表情も変わっていくのではと期待したけど、ダメだった。

それくらいあのコールド負けは皆の心に影を落としていた。


そしてそれは……大河も同じだった。

あんなにひとりで声を出していたのに、最近はそれもない。
黙々とピッチング練習をしているだけ。