ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

『好きじゃなくなったら』なに?

イヤだよ、大河。
あきらめないで。

まだチャンスはあるんだよ?


しかし、安易にそんな言葉をかけられなかった。
それは、ずっと過酷な練習を見てきたからだ。


来年も試合に出るチャンスすらもらえない可能性があるのに、またあの苦しい練習を続けられるだろうか。

私なら、できない。


手が真っ赤に腫れあがるまでバットを振り、壁に向かって数えきれないほどのボールを投げ……吐くまで走り込む。

あんなつらい練習、目標がなくては頑張れない。


「私は、好きだよ。大河が夢を追っている姿、大好き」


こんなことを言ったら負担になるかもしれないとも思った。

だけど、ここまで努力してきた彼が、まだ可能性を残したままやめてしまうのだけは見たくない。


「へー、栞って俺のこと好きなんだ」

「あのさ、日本語理解できる?」