ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

彼の体温をダイレクトに感じると、勝手に頬が赤らんできてしまう。


「大河、どうしたの?」

「ちょっと寄り道だ」


向かう方角からすると、おそらくあの男の子のボールを拾った川の本流の堤防に行くつもりだろう。
そこは彼が野球を始めた場所だった。


私の予想通り、懐かしい堤防の広場に着くと、彼はやっと手を離した。

小さい頃はこうして手をつないでここに来るのが私たちの日常だったけれど、いつの間にか手もつながなくなった。

それが寂しくもあるが、心はいつも彼の隣にいるつもりだ。

久しぶりにつないだ彼の手は、柔らかかったあの頃の手とは違った。
何度もマメがつぶれたせいで硬くなった皮膚は、彼の努力の証だ。


彼の右手には、朝、私が施したテーピングがまだそのままになっている。

ほんの少しの感覚の違いがコント—ロールに出てしまうので、もし登板していたら外されていただろう。