ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「旭日はそういう方針だ」


監督がそう言い切ったとき、全身の力が抜けてしまった。

勝つためのチームではないのだと、感じてしまった。


それから、監督がなにを言ったのかよく覚えていない。
ただ、微動だにしない大河をうしろからずっと見つめていた。


監督の言う通り、大河が出ても抑えられていたかどうかなんてわからない。
それに、味方が点を取らなければ、どうにもならない。

もし大河がバッターとしてホームランを放っていたとしても、八点差は埋まらなかった。


「波多野」


呆然として座っていると、大河が隣に来ていて驚いた。
ミーティングがいつの間にか終わっていた。


「終わったぞ。片付けて帰るか」

「……うん」


それから一年生は残り、使った道具の手入れと後片付け。
もちろん私たちマネージャーも一緒だ。

結果として惨敗だったものの、三年生も頑張ったんだ。

この現実は受け止めなくてはならない。