ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

それから綾子先輩と一緒にベンチ裏に走った。

しばらく待っていると、監督を先頭に選手たちが続々と出てくる。


「お疲れさまでした」


最後に打ち取られてしまった先輩は、目を真っ赤にして泣いていた。

私ももらい泣きしそうになったけれど、泣いちゃいけない。
ひとりひとりに「お疲れさまです」と声をかけ、頭を下げた。


そして……最後に荷物をたくさん抱えた大河が出てきた。

帽子を目深にかぶり、その表情はよく見えない。
だけど、唇を噛みしめているのだけはわかる。


「お疲れさま」


私は彼に駆け寄り、数本のバットを受け取った。
でも彼はなにも言うことなく黙々と歩いていく。


バットを受け取ったとき、彼の瞳が潤んでいるのが見えてしまい、私も視界が曇ってきてしまった。

それでも必死に歯を食いしばる。

私が泣くべきじゃない。
大河の苦しさに比べたら……たいしたことなんてない。