ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

——カキーン。

金属バット独特の甲高い音がして、一瞬息が止まる。
高く上がったボールは、レフトの方向に飛び……。


「あーっ」


あっけなくグローブの中に吸い込まれてしまった。

負けて、しまった……。

私はその現実が受け止めきれず、しばらく呆然と立ち尽くしていた。


三回の挑戦のうちの一回が、こんなにあっさりと終わってしまうなんて思ってもいなかった。


「栞。私たちにはまだ仕事があるよ」


綾子先輩に声をかけられ、我に返る。


「はい。すみません」


こんなときだからこそ、私たちマネージャーが支えにならなければ。

ふと本山くんのほうに視線を送ると、彼は顔をクシャクシャにして泣いている。
私も泣きたかったが、必死にこらえて頭を下げた。


「応援、ありがとうございました!」


桜花のように大応援団ではない。
けれど、炎天下の中、必死に声を上げてくれた仲間に、心からお礼を言った。