ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

六回の攻撃も三人で終わってしまい、再び守備。


「どうして……」


だけど守備に出てきたのは、控えの選手が多数混ざっている。

一番大切な局面なのに、どうしてベストメンバーじゃないの?


「記念試合に、するつもりなんだ……」


綾子先輩の言葉の意味がわからず「どういうことですか?」と聞きなおすと、驚くべき答えが返ってきた。


「監督は多分あきらめたんだと思う。もう、勝てないって。だから試合に出ていない三年生に最後の思い出づくりを……」


そんな……。


「だって、まだ負けてないですよ?」


最後までなにがあるかわからないのに。


「そうね。でも、相手の投手に抑えられていてヒットもなかなか出ない。それに、相手チームのピッチャー、エースじゃないでしょ?」


たしかに背番号十番をつけている二番手のピッチャーだ。

ということは、まだエースが控えているということだけど……。

まさか、こんなことが起こるなんて少しも想像していなかった。