ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「ありがとうございます」

「こちらこそ、ありがとう。旭日も頑張れよ」

「はい!」


私は彼に頭を下げて、再びベンチに走った。

ひと通りの準備が済むと、綾子先輩と一緒に観客席に向かうことにした。
これからは応援が仕事だ。

すると、桜花の選手が帰りのバスに乗り込むところで、さっきの選手も順番待ちをしている。


「あ、真田くんだ」

「えっ、どの人ですか?」


綾子先輩が声を上げるので尋ねると「あの大きい人。えーっと、ほら、今バスに乗る……」と言うので驚いた。
さっき手を治療した選手だったからだ。


「え、あれが真田くんですか?」

「うん。そうだよ。どうかした?」

「いえ……」


まさか真田くんほどの選手が、あんなに危機感を持っているなんて信じられなかった。

だって、プロも注目しているという選手だよ?

でも、それほどにまで桜花の選手層が厚いということだろう。