ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

私は大河の顔を思い浮かべながら口にした。
もちろん、大河の手も大好きだ。


「そんなことを言われたのは初めてだよ」

「皆、言わないだけですよ。はい、できました。テーピングもしますか?」

「いや、今日はもうこれで終わりだからいいよ。ありがとう」


最初は治療を拒否していた彼だけど、少しだけ心を開いてくれたような気がした。


「桜花高校、コールドゲームだったみたいですね。次も頑張ってください」

「敵のチームにそんなこと言っていいの?」

「あー、もちろん旭日に当たったときには言いません。でも、頑張っているのはどのチームの選手も同じですから」


相手チームに『ミスをして』と思うより、自分たちのチームに『ホームラン打って』のほうが気持ちいい。


「そっか」

「はい。でも、桜花ならマネージャーさんたくさんいますよね。ちゃんと治療してもらえばいいじゃないですか」


桜花はマネージャーも十人以上はいると聞いた。