ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

それから私たちは駅に向かった。


「そういえば、俺たちのひとつ前の試合って、桜花らしいじゃないか」

「うん。圧倒的に桜花が有利って言われてるね」


別のブロックに入った桜花高校の相手は、旭日と同じようにここ数年ずっと初戦敗退している公立校だ。


「コールドゲームかもな」


大河はしみじみといった様子で口にする。

もしかしたら旭日もそうなる可能性がないわけではない。
もちろん、負けてしまうほうで。


「旭日には大河がいるもん」


旭日はそうはならないという気持ちを込めて言うと、彼はにっこり笑って私の頭をポンと叩く。

そして私は、そんな些細なことでもうれしくて、勝手に頬を赤らめた。



試合球場までは、学校からマイクロバスが出る。

私立のように立派な野球部専用のバスはなくレンタルで、運転手も先輩のお父さん。

恵まれた環境とは言い難いけれど、それでも一歩ずつ進んでいくしかない。


「大河、頑張れよ」

「おぉ」