ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

そして、いよいよ予選初日。

いつものようにモーニングコールをしたけど、相変わらず彼は出ない。


「ちょっと、今日も?」


今日は大河の分までお弁当をこしらえた。
彼のお母さんは忙しく、試合のときもいつもコンビニ弁当だったのを思い出したからだ。

ちょっと甘めの卵焼きは、我が家の伝統の味。他には唐揚げやシュウマイなどの肉類をたっぷりと。

そして、栄養を考えてカボチャの煮つけやアスパラのバターソテーなども入れた。


そしてばくだんおにぎり三つ。
具はツナマヨと明太子と梅。

とにかく大きいおにぎりは不恰好だけど、大河はよく食べるからこれくらい必要だ。


弁当を作る合間に何度か電話をしてみたものの、大河は出ない。

さすがに今日は遅刻させるわけにはいかないと、家を飛び出し彼の家に向かうと……彼は家の横の空いた駐車場で黙々とバットを振っていた。