ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

ケラケラと声を上げて笑い出した大河を見て、ホッと胸を撫で下ろす。

やっぱり笑っている大河がかっこいい。


「なにがおかしいのよ!」

「はいはい、栞はかわいいですよ」

「その棒読みコメントいらない」


小さい頃はよく『栞はかわいいね』って言ってくれたのに。
まぁ、小学校に上がる前の話だけど。


私が口を尖らせると、大河はふと真剣な表情をする。
そして……。


「たまにはかっこ悪くても、いいか」


そんなことを口にするので、私は大きくうなずいた。

その言葉を聞けただけで胸がいっぱいだ。

彼はまだあきらめたりしない。
絶対に。


「宿題やりな……」

「あー、耳が、耳が……」


大河はそう言いながら耳を押さえる。


「耳がなに? 『聞こえてる』でしょ?」

「なんでバレた?」

「何年の付き合いだと思ってるのよ」


大河のことは、私が一番わかってるんだから。
そして私のことは、大河が……。