ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

すると、学校から少し駅のほうに行ったところに、真田くんが立っている。

私はすぐに彼に気づいたものの、視線を合わせずに通り過ぎようとした。でも……。


「勝ったよ」


そう言われて、砂で汚れたボールが目の前に差し出された。


「そう。おめでとう」

「ありがとう。これ、もらってくれない?」


おそらく昨日の試合で投げたボールだろう。


「いえ。私は旭日のマネージ……」

「また一緒か。目障りなんだけど」


そのとき、後ろから大河の声が聞こえてきて、ハッとした。


「デートならよそでしてくれないか。桜花のエースとうちのマネージャーが付き合ってるなんて、笑えねぇ」


『デート』って……。
そんなわけ、ないでしょう? こんなに苦しいのに。

私は大河の言葉に激しく傷ついていた。


「霧島は、俺が波多野さんとデートしてもいいんだな」

「なんで俺の意見なんて聞くんだよ。勝手にすればいいだろ」


大河の冷たい声に頭が真っ白になる。