ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

私の夢を大河に押し付けて、苦しめていたんだ。


「それでいいじゃん。波多野は女の子なんだから、大河がかなえるしかないだろ?」


私は本山くんの言葉に首を振る。

ううん。
それが重荷だったんだよ。

大河は野球が楽しくなくなっちゃったんだよ。


「なんでそんなにこじれてるんだよ。俺が大河にビシッと言ってやるよ」

「お願い、なにも言わないで。彼の邪魔をしたくないの。でも……霧島くんが甲子園をあきらめるのは見ていられない。お願い、霧島くんを支えて」


もう本山くんにすがるしかない。
私は深く頭を下げた。

するといつもは明るい本山くんが「はーっ」と大きなため息をついている。


「わかったから、頭上げろ。大河のことは俺に任せておけ。でも大河は波多野の応援を邪魔になんて絶対に思ってないからな」

「うん、ありがとう」