ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

しかし、私に話すことはない。
告白されたとはいえ、やっぱり私の心にいるのは大河だけ。

うつむき加減で真田くんの前を通り過ぎようとすると、「波多野さん」と呼びとめられてしまった。


「なんでしょう」


もし大河が見ていたら……と不安でたまらない。
もうこれ以上嫌われたくない。


「ごめん、こんなところまで来て迷惑だとはわかってるけど、連絡を取る手段もなくて……」


電話番号もアドレスも知らせていないのだから当然だ。


「もう、来ないでください」


冷たいかもしれないけれど、はっきりと告げた。
今は大河のこと以外、考えたくない。

私はそう言いのこして足を踏み出した。
それなのに……彼は私の腕をつかんで止める。


「話、できないかな?」


周りを通っていく人たちが私たちのことを見ている。
私はそれが気になって、仕方なく彼と一緒に近くの公園まで行った。

ちゃんと話をして、もう関わらないようにしよう。