ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

皆の前では『霧島くん』だけど、私たちの関係を知っている本山くんの前では『大河』だったから驚くのも無理はない。


「ケンカっていうか……。ごめん、なんでもない。お願い」


私がもう一度頭を下げると「いいけどさ、そりゃ」と受け取ってくれた。

そのあとのミーティングでは、一メートル前に大河がいる。
たった一メートルなのに、とてつもなく遠い。

大好きな人の背中を見つめながら、ため息が出そうになるのをなんとかこらえた。


「今後の練習試合だが、少し一年生にもチャンスを広げようかと思う」


監督のそんな言葉が、飛びあがるほどうれしかった。
あれから何度も監督の先生のとこに足を運びお願いしてきたからだ。

「基本、二年生優先には変わりない。だが、練習に来ないヤツまでは出さん。それと打率があまりに低い者も外される可能性があると思っておけ」