ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「わかってる。それでもそうしたいんだ。俺……超大型高校生なんて勝手に言われて、プレッシャーでつぶれそうだった。毎試合結果を残さなければなにか言われるんじゃないかって、苦しくてたまらなかった。でも、波多野さんがこの手を『かっこいい手』と言ってくれて、俺、ちゃんと努力してるじゃないか。胸を張っていればいいって思えた」


まさか、真田くんほどの人がそんなに苦しんでいたとは予想外だった。


「それでもまだ焦ってて……。でも『目標をまちがえないで』ってきっぱり言われて、完全に目が覚めたんだよ」

「真田くん……」

「波多野さんがそばにいてくれたら、俺、必ず甲子園に行ける気がするんだ」


私は彼の腕の中で首を振る。
桜花が甲子園に行くということは、旭日は行けないということだ。


「私は大河に行ってほしいの。だから……」


私がそう言うと、彼はやっと手の力を緩めてくれた。だけど……。