ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「離してください」

「霧島と付き合ってるの?」

「ちがいます」

「それなら、霧島のことが好きなんだね」

「そんなの真田くんには関係ありません」


そう。好きで好きでたまらない。
でも、ほかの人に言うべきことじゃない。


「俺、波多野さんが好きなんだ。霧島がああいう態度なら、俺は遠慮しない」


どうして……真田くんに告白なんてされてるの?


「大河は焦ってるだけです。だから離して!」


必死にもがいて離れようとしたけれど、彼は手の力を緩めようとはしない。
体を鍛えている彼の力にかなうはずもなく、離れられない。


「俺はあきらめない。初めて会ったあの日から、波多野さんのことばかり考えてる。俺、今、波多野さんのために練習頑張ってるんだ」

「私のためって……私は旭日のマネージャーです」


たしかに、真田くんにも頑張ってほしいと思ってる。

しかし、それはあくまで必死に練習を積んでいる選手に向けてのエールであって、大河への気持ちとはちがう。