ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

でもそのとき、ホームに電車が滑りこんできて大河が乗りこむのが見え、全身の力が抜けた。

イヤ。置いていかないで。

まるで見捨てられてしまったかのような気持ちになり、ぼうぜんと立ち尽くす。


「大河」


大河の名前を呼びながら顔を手で覆うと、真田くんに駅の外に連れだされた。
そして人の少ない路地裏に入ると、彼は私の両肩に手を置く。


「落ち着いて」

「大河……」


大河のことだけをずっと見てきたのに、彼に見放されたらどうしていいのかわからない。


「もしかして波多野さん、霧島がリトルリーグ時代にいつも一緒にいた女の子?」


私は泣きながらうなずいた。
私は大河のこと以外覚えていないというのに、そんなことも知っているんだ。


「そっか。ずっと霧島の応援をしてきたんだね」


真田くんはそう言うと、私を突然抱きよせる。