ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「真田に連れていってもらえばいいじゃないか」

「どうしてそんなこと言うの? 私は大河が甲子園に行くのを……」


声が震えて続かない。

真田くんじゃなくて、大河に連れていってほしいのに。
大河のことしか見てないのに。


「だから俺は無理だって言ってるだろ。真田なら可能性が……」

「それなら俺が連れていくよ」


突然後ろから声がして振り向くと、そこには……真田くんが立っていた。


「波多野さんは俺が甲子園に連れていく。霧島はそれでいいんだよな」


どうしてこんなことになってるの?


「俺は必ず甲子園に行くよ。霧島みたいに中途半端な気持ちじゃないから」

「ちがう。大河はいい加減なんかじゃ……」


そこまで言ったところで涙があふれてきて、言葉が続かなくなってしまった。

大河は中途半端なんかじゃない。

そりぁ、今はチームの覇気もなく、ましてや出場できない状態だから、大河の気持ちも落ちている。