ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

約束? それって、甲子園に連れていってくれるっていう、あの約束?
覚えていてくれたんだ……。

でも、彼が視線をそらしながら言った瞬間、全身から力が抜けていくのを感じる。

彼があんなに昔の約束を覚えていてくれたことは泣きそうにうれしい。
だけど、まだ可能性が残っているのに、あきらめるような発言だ。


「そんなの、まだわからないじゃない」

「そう言うけど、栞だって、本当はわかってるだろ? 出られないのにどうやって勝てって言うんだ!」


彼の言葉が胸に突き刺さる。

大河の言うとおりだ。
出られないのにどうしようもない。

それに、心のどこかで大河が出られても甲子園に手が届かないことも、わかっているのかもしれない。
わかっているけど、あらがいたいだけなのかも、しれない。


なにも言えなくなってうつむくと、大河は追い打ちをかける。