ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

放課後の練習には大河も顔を出した。

ストレッチやランニングを黙々とこなし、ピッチング練習に入ったものの、少しも笑顔がない。

それに気づいた綾子先輩が私のところにやってきた。


「霧島くん、体調悪いんじゃない?」

「そんなことはないと思います。でも……」

「でも?」

「いえ、なんでもありません」


先輩は私と大河の関係を知らない。
うまく説明できる気がしなくて、ごまかしてしまった。


「霧島くん辺りが活躍してくれれば、うちの部も変わるんじゃないかって期待してるんだけどなぁ」


綾子先輩もそう思ってくれているんだ。


「はい。とにかく勝たないと、皆のやる気に火がつかない気がして、実は監督に実力でメンバーを選んでほしいとお願いしました」


先輩を差しおいて動いてしまったことは失礼だったかもしれない。

しかし、冷静に野球部のことを見ている綾子先輩ならわかってくれる気がして、本当のことを告白した。