ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「でも、部があんな状態で、その希望が見えなくなって、今は焦ってる」

「焦ってるのは、わかってる」


絶望していることも。


「だから真田と波多野が話しているだけでイライラしたんだと思う。許してやって?」


許してもなにも、私にそんな権利はない。
私が許してもらうほうだ。


「昨日、大河にマネージャーやめろって言われて……」

「はぁっ!? まったくアイツ、素直じゃないにもほどがある。俺がちゃんと話してやるから、波多野はやめたらダメだぞ。波多野がやめたら、本当に甲子園には届かない。いや、アイツ、野球やめちまうかも」


大河が野球をやめるなんてイヤだ。
それだけはどうしても。

鼻の奥がツーンとしてきて慌てて唇をかみしめると、本山くんが心配そうな顔をする。


「な、波多野はいつもどおりにしてろ。大河は俺に任せておけ」

「……うん」


不安いっぱいだったけど、本山くんがいてくれてよかった。