ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「あ、波多野。大河は?」


学校の最寄り駅で本山くんに声をかけられ、無意識に眉間にシワが寄ってしまう。


「今日は、一緒じゃなくて……」


私が言葉を濁すと、いつも元気な本山くんがけげんな顔をする。


「ケンカしたのか?」


その質問に答えられなかった。
あれはケンカじゃない、一方的に嫌われただけ。


「それより、足は? 病院行った?」


私は気持ちを切り替え、努めて明るく振るまった。
そうしていないと泣きそうだった。


「うん、行った。たいしたことないってさ。でも、ランニングは永遠にお休みしなさいって」

「えー、嘘だぁ。病院の先生に聞いてこよう」

「それはダメだ。絶対ダメだ」


必死に首を振る本山くんがおかしくて、私は噴き出した。


でも、やっぱり大河のいない朝は寂しい。
本山くんと肩を並べて歩きはじめると、彼はすぐに口を開く。