ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

『黙れ』と言われた私は、それからなにも言えなくなった。

ただ、悲しかった。
大河が甲子園のマウンドに立つことを信じているのに、その想いまで否定されたような気持ちになってしまった。


駅に着くとスタスタと歩いていってしまう大河の背中を見ながら、涙があふれてくるのを止められなくなった。
そして、私は彼の背中を追えなくなった。


「バカ」


どうして信じてくれないの?

大河と心の距離がこんなに離れたのは初めてだった。


私たちはいつもふたりでひとりのようなところがあったし、実際一緒にいる時間は長かった。

いつしか大河の甲子園に行くという夢が私の夢になり、彼とふたりでそれをかなえるんだと信じていた。

それなのに、『マネージャーやめてくれない?』とまで言われた私は、どうすればいいの? 
彼の負担になって、甲子園への道が閉ざされるくらいなら、やめるべきなの?

今まで考えたことがなかった選択肢が突然浮上して、自分でも激しく戸惑ってしまう。