ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「頑張ろー」

「波多野、サンキュ」


そして並走を始める。
小さい頃から大河とよく一緒に走っていたので、少しならついていける。

私が並走しだすと、本山くんのスピードがほんの少し上がった。
やっぱり気持ちは大事だ。


「はぁー」


グラウンド大回り五周は結構きつい。
私は二周並走しただけだったけれど、ゴールするとすぐに本山くんと一緒に座り込んだ。


「栞、無茶するな」


するともう息の整っている大河が来てくれて、私に手を差し出してくれる。

手を握ったことくらい何度だってあるのに、最近の彼はすごい勢いで男らしくなっていくので、照れくさくてたまらない。

しかし拒否するのもおかしくて、ちょっとドキドキしながらその手を握ると、グイッと強い力で引いて立たせてくれた。


「大河ちゃん、俺も」


隣の本山くんが大河に手を伸ばしたけれど「お前はもう一周してこい」と冷たい。


「なんだよ、いつもはツンツンしてるくせして、やっぱり波多野には優しいんだな」

「アホ。余計なこと言ってないで、キャッチボール始めるぞ」