ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

綾子先輩を見ていると、そうならなければと思う。

でも一年生の発言権は、大河たち選手でも多くない。
ましてや私の話なんて聞いてくれない。

今はただ、大河や本山くんといった、耳を傾けてくれる選手にげきを飛ばすことくらいだ。


「俺に休めと言ったのは波多野さんが初めてだよ。焦っている俺を冷静にしてくれたのも。感謝してる」

「か、感謝なんて!」


驚きすぎて目を丸くすると「バント成功だよ」と彼に急かされ慌ててスコアをつける。


「さ、四番」


桜花の四番は三年生。
真田くんほどではないけど、結構有名な選手だ。


一球目はフォークを見送り、一ストライク。


「ストレート待ちだな」

「そうなんですか?」

「うん。多分、ホームラン狙ってる」


ヒットじゃなくて、最初からホームランなんだ……。

でも狙えるほどの自信があるということなのかもしれない。