ずっとずっと、キミとあの夏をおぼえてる。

「あっ、けん制……。えっと……」


スコア表の書き方は、綾子先輩に教わりながら勉強している。

試合のときは、ベンチ入りしなくても書いているけど、試合展開が早いとついていけなかったり、間違えてしまうこともまだあった。


「今のは盗塁死のほうをつけるんだよ」

「えっ?」


ひとりでこっそりスコア表を書いていたのに、突然声をかけられ驚いた。


「真田くん……」

「今のプレーは、前の塁に戻ってない。だから盗塁死のほう」

「そっか。ありがとうございます」


私は早速書き直した。


「勉強してるんだ」

「はい。結構難しくて……。真田くんは?」


彼はユニフォームも制服も着ていない。


「俺、今、休部にしてもらってるんだ。ケガでも休部にする必要はないけど、そうすると部活に行って雑用係になる。それより投げられない今は筋トレをしていたほうがいいからって、監督が」


そんな事態になっているなんて知らなかった。