もっと、俺のそばにおいで。



……え?


体だけが、急にどこかへ持って行かれたのだ。


目を開けると、青山くんとあたしの体が密着していた。


青山くんの手はあたしの腰に回っている。


そして、あり得ない空耳を聞いた。



「ごめん朋美。俺さ、この子と付き合うことになったんだ」



……はい?


なにをされて、なにを言われているんだろうと見上げて。


密着した体で見上げる青山くんは、やっぱり相当背が高いなあ……。


って、そんな悠長なことを考えてる場合じゃなくて……!



「っ……ひどいよっ」



再び目にした朋美ちゃんの顔はもう真っ赤で、涙が頬を伝っていた。