もっと、俺のそばにおいで。



そりゃあ、入学当初はニセだけど"彼氏"だったし、朋美も俺が彼氏だと公言していたらしい。

だから彼女が今も勘違いしてるのは仕方ねえけど……。


俺と花恋がつき合ってることって、ぜんぜん周知されてねえんだな……。


俺を好きだっていう松島でさえ、知らなかったんだから……。


軽く、ショック。



「8組の、藤井花恋……だけど……」



こんなとこでバラすのもどうかと思ったけど、あまりの悔しさに言ってしまった。


すると、首を傾げる松島。



「藤井、さん……」



俺の言葉を反芻するも、ピンと来てない様子。


……仕方ねえよな。


花恋は目立つタイプじゃねえし。



「ああっ……!黒板のっ……ええぇっ……」



やがて、笹本が書いた黒板の落書き事件の被害者だと分かったのか、驚いたように口に手を当てる彼女。