「そんな花恋に、いつの間にか惚れてた」
だけど。
青山くんは、そんなあたしを認めてくれた。
お人よし、じゃなくて、いい人、って。
そして。
好きな人に……青山くんに、好きになってもらえた……。
それが夢みたいで、うれしくてうれしくて……。
ポロポロと涙が零れてきた。
「……あたし、こんな自分が好きじゃなかった。なんでも人に合わせるのは楽だったけど、イヤだった……。それだじゃダメだって気づかせてくれたの、青山くんだよ……。ちゃんと言ってくれて、ありがとう」
これからは、自分の意志をちゃんと伝えられる気がする……。
「翔って、呼べよ」
少し掠れた声が、鼓膜を震わせる。
熱を帯びた手が、頬を撫でる。
「……翔……くん」
名前呼びなんて、ハードル高すぎて心臓飛び出ちゃいそうだよ。
そっと口にして、見上げるように視線を上げると。
「ああもう我慢できねえ」
翔くんは、後頭部にそっと手を乗せ、あたしの唇に唇を重ねた。
初めての時よりも、二回目の時よりも、長く、甘く……。
……夢みたい。
体がふわふわと、どこかへ飛んで行ってしまいそう……。
あたしは幸せに浸りながら、翔くんの白いシャツの背中を、ギュッとつかんだ。



