そのとき、もうひとつ大きな足音が聞こえてきて。
「これ全クラスに書かれてるっぽいっ……!」
息を切らした智史くんも飛び込んできた。
「えっ……」
これが、全部のクラスに……?
一体、誰が。
……っ。
「花恋、大丈夫!?」
めまいがして、倒れそうになったところを杏ちゃんに支えられた。
「誰の仕業!?ねえ、誰かこれ書いたの見た人いないの?」
あたしを支えながら、杏ちゃんがクラス全員に向かって声をあげる。
そうしている間にも、優梨ちゃん、智史くん、侑汰くんの3人が、黒板の落書きを全て綺麗に消してくれた。
だとしても、全クラスに書かれているとなれば……。
「俺らのクラスのは翔が消した」
「そうか」
「他のクラスのも今、翔が消して回ってる」
……青山くんが?
ドクンッ……。
じわっと胸が熱くなる一方、青山くんの目にもこれが入ってしまったんだという落胆。
青山くんは、これを見てどう思った……?
そんなことが気になってしまう。



