友梨ちゃんが消してくれていたけど、まだ消し切れていない部分で分かってしまった。
『藤井花恋は男タラシ』
きっと、こんな内容が黒板いっぱいに書かれていたんだろう。
「友梨ちゃん!!!」
そのとき、バタバタッという激しい足音と共に、よく聞き慣れた声が耳に届いた。
それは血相を変えた侑汰くんで。
「……っ」
黒板いっぱいの落書きに目を見張る。
「なんだよこれ、書いたの誰だよっ!」
クラス全体に目を向ける侑汰くんは、この落書きを初めて見たんじゃないって顔。
……ということは。
「俺のクラスにもこれが書いてあったんだよ!」
憤慨しながら、黒板をバンッと叩いた。
「1組にも?」
眉をひそめる友梨ちゃん同様、あたしの胸も鈍い音を立てた。
どうして、1組にも……?



