……え?
「あのねっ……!」
友梨ちゃんが必死に何かを言おうとしているその向こう。
黒板に目を向ければ、消えかけのチョークの文字が見えた。
『男好き』
『男タラシ』
『男を横取りする最低女』
眉をひそめたくなるような言葉が並んでいて……。
クラスメイトの視線が、あたしに集まっているのも分かった。
「……っ……」
あたしは呆然と黒板を見つめる。
そして体がガタガタと震えだす。
だって、その言葉の先頭に書かれていたのは、"藤井花恋"という名前だったから。
「なにこれっ!書いたの誰!?」
それを見た杏ちゃんが、憤慨したように声を張り上げる。
……なんで?
……どうして?
……ここに書かれているのは、すべてあたしに対する中傷。



