もっと、俺のそばにおいで。



……幸せそう。


杏ちゃんて、何も悩みとかないのかな。


顔もだけど性格も可愛いし明るいし、恋愛も百発百中の杏ちゃんにとって、あたしみたいな悩みとは無縁なんだろうな。


どうしてあたしばっかりこんなに悩みが多いんだろう……男運がないのかなってちょっと卑屈になる。


羨ましく思いながらも、考えるともっとどん底に落ちそうだからやめよう。


笹本くんの話をしようと思ったけど、このテンションの杏ちゃんに話すのもどうかと思い、そのまま教室へ向かうと。


友梨ちゃんが必死になって黒板を消していた。



「おはよう、友梨ちゃん。……何してるの……?」


「か、花恋!?も、もう来たのっ……」



キョドりながらあたしと目があった友梨ちゃんは、ひどく慌てた様子だった。


おはようも言わずに。


まるで、あたしが来ちゃいけなかったみたいに……。


同時に、クラスメイトたちの動きやおしゃべりも一瞬にして止む。