もっと、俺のそばにおいで。



乱暴に椅子を引いて座り、カバンから取り出すのは教科書や参考書。


バサバサと机に置かれるそれを、呆然と眺める。



「あの……」


「因数分解?二次関数?」


「あの……」



どうして何事もないように話を進めるの。


そんなの無理に決まってるよ。


せめて、何か弁解してくれなきゃ……。


あたしたちが話すの、あれ以来なのに。



ぎゅっと目とつぶる。


今すぐここから逃げたい。


でも、逃げられないのは……。


青山くんといる空間が、心地よくて楽しいものだとあたしの心が覚えてるから。

一緒にいたいと思うから……。



「……アイツと……つき合うの……?」



……っ。


心臓がひやりとした。


アイツ……それって、笹本くんのことだよね……。


やだ……青山くんの耳にまで届いていたなんて。



「お人よしのアンタのことだから、なんでも"YES"って答えるのか」


「……っ」