「あのっ、どうもありがとうございましたっ。その、家までお……抱えて運んでくれたとか、すごく大変だったと思うのにっ……」
お姫様だっこ……なんてワードは自分から言えない。
言いかけて言い直して、深々と頭を下げる。
「俺と帰ってた記憶はちゃんとあったんだな」
「あのっ、それはっ……うん、一応……それに、お母さんが似顔絵を書いてくれて」
一応、チラシの裏の似顔絵を持ってきていたんだ。
それを見せると、青山くんはプッと吹き出した。
「いやいや、これ見たらますます俺にたどりつかないでしょ」
「……それも、そうだよね」
「アンタの母さん、画伯だな」
それは褒め言葉じゃないことは知っている。
絵心のない人のことを皮肉って、画伯って呼ぶことを。
確かにお母さんは画伯かも。
これじゃあもうオカメだもん。



