もっと、俺のそばにおいで。



ん……?


青山くんは、その自販機を必死に叩いていた。


なにしてるんだろう……と様子を覗っていると、青山くんと目があってしまい……



「……!!!」



逃げるわけにもいかず、その勢いのままスタスタと、怪しい忍者みたいに青山くんに近寄った。



「ああああああのっ……」



ほんとなら、あのキスの一件もあるから逃げたくてたまらないのに。

こうして向かわなきゃいけないのは、助けてくれた借りがあるから。



「先週は、その……」


「具合、もうすっかり良さそうだな」


「……っ……う、うん……おかげ……さまで……」


「急にぶっ倒れんだもん、マジで焦ったわ」



お弁当を食べているときの様な不機嫌な顔じゃなく。

どこかほっとしたようなその声に、あたしも警戒心が解れた。