好青年……。
それはどうかと思うけど……。
家まで探して、倒れたあたしを運んでくれるなんて、たしかにそうそう出来ることじゃないかもしれない。
「……って、名前もわからないし花恋も覚えてないから困ったわねえ……」
お母さんは眉根を下げるとおもむろに、広告の裏にペンを走らせた。
どうやら、似顔絵を書こうとしているみたい。
それをぼんやり見ながら思い浮かべるのは、青山くんの顔。
……ちゃんと言うよ、お礼……。
青山くんにはとんでもないことをいっぱいされているけど、今日、青山くんが一緒にいてくれなかったら、あたしはどうなっていたかわからない。
邪険にしたのに、あたしを送ると言い張ってずっと隣に引っ付いていた青山くん。
そのおかげで、あたしは無事に家までたどり着けた。
彼女に対しては不誠実かもしれないけど。
具合の悪いあたしを放っておかず、家を調べて送り届けてくれた。



