もっと、俺のそばにおいで。



だろうな。

男子高生が寝ている女子高生を抱えてたらそりゃあ不審に思うだろうよ。


まるで拉致しているのかとでもいいだけな視線から逃れるように、足を進める。


通報される前になんとしてでも家を見つけるんだ。

頭にインプットした住所と、電柱に書いてある番地を頼りに。



「……はぁ……はぁ……」



額にびっしょり汗をかいて、小さく開いた口からは荒い息が漏れている。


体から伝わるのは高い熱。


きっと、熱もあるはずだ。


俺が移したとなれば……やっぱり責任は感じる。



藤井は、朋美はおろか俺が今まで出会ったことのないタイプの女子だ。


カフェに誘ったくらいで、キョドって。


そんなに俺と店に入るのがイヤなのか?と少し傷ついた。


でもそうじゃないらしい。


藤井はきっと、そういうのに慣れてないんだろう。



こういう奴が、騙されんだよ……。