もっと、俺のそばにおいで。



途方に暮れかかっていた時、藤井の生徒手帳がサブバッグのポケットに見えた。

きっと住所が書いてあるはずだ。



「見るからな」



寝てる藤井に断りを入れてから、最初のページを開く。



「次は夕陽丘3丁目~夕陽丘3丁目~」



その時、手帳に書かれてあった住所の町名がバスの車内にアナウンスされた。



「ここか!?」



慌ててボタンを押したはいいが、どうやって降りる……!?



……仕方ねえ。

バスが停まると、藤井の鞄を肩にかけ、藤井を抱きかかえてバスを降りた。



……降りたのはいいが。


歩いていたおばさんが、俺を不審な目で見て通り過ぎていく。