それがいちばん心配。


"俺さ、この子と付き合うことになったんだ"


あんなことを言われたんだもん。

利用されたあたしがそう聞くのは当然だよね?



「べつになにも」


「……はい?」



なにも……って。



「朋美は、一晩寝て起きたら忘れるタイプだから」



え、えぇっ!?

一晩寝て起きた結果が、今朝の事態なんですけど!?



「あ、もしかしてほんとに彼女のふりするつもりでいたとか?んなこと頼まねえから心配すんなよ」


「と、当然ですっ……!」



な、なにそれ。

まるで、あたしが彼女のふりをしたかったみたいな言い方……。


するわけないじゃん……!


思わず、いつにない強気な口調でキッパリ断言する。


青山くんは……鼻で笑うような素振りをみせるから、余計に恥ずかしさがこみ上げる。


……もう、なんなの……。