「藤井さん、だよね」 コーヒーを一口すすった青山くんが、あたしの名前を呼ぶからドキッとした。 「へっ……」 「今更名前確認するのもおかしいけど」 「……うん……藤井、です……」 「下の名前、なんて読むの?花に恋って。読み仮名入ってなかったけど」 そう。 あたし達は、お互いのスマホのデータを勝手に見て名前を知った仲。 青山くんは、カタカナで読みが入っていたから"カケル"って読めたんだ。 「かれん……です」 「花恋……か」 「……っ」