もっと、俺のそばにおいで。



目の前に座ったあたしは、もうカチコチだ。


あたしの前には、コーヒーと、ドーナツひとつ。


向かい合った青山くんのトレーには、同じものが乗っている。


優柔不断なあたしに、自分と同じものを頼んでくれたみたい。



……緊張、ハンパない。


だってだって、青山くんとは今日が初対面なんだよ?


ただでさえ、男の子とふたりで出かけたことなんてないのに。


百歩譲ってお買いものはいいとして、こんな風にお店に入っても会話なんて見つからないよ……!


向かい合ってドーナツ食べるとか、軽く拷問としか思えないし、手のひらからは、汗が噴き出している。



「……あ、ありがとうございます……」



口から心臓が飛び出る前に、なんとかお礼を言った。