ばいばい、津崎。



哲平の家は西側方面にあり、とても小高い場所にある白い外観の一軒家。大きな造りの門があり、家の回りを銀色の柵が取り囲んでいる。

正直、島の家並みとは明らかに違っていて、ここだけ切り取られた空間のように浮いている。


「この島には不釣り合いだよね」

私の心を読んだみたいに哲平が言う。


「い、いや、そんなことは……」

「はは、俺も思ってるから平気」


哲平のお母さんは専業主婦で、お父さんは島を渡ったT市の総合病院で外科医をしている。

忙しくてお父さんは月に一度しか帰ってこないと、昔哲平から聞いた。


哲平の家は見た目で分かるようにお金持ちで、島に自動販売機が置かれるようになったのは哲平のお父さんが多額の寄付金を島にしたおかげだからと、本当かどうか分からない噂もあるぐらい。

だけど、島に対してのなにかしらの援助は確実にしていると思う。

だって島の住人たちの風当たりが哲平を含めた家族には柔らかいから。