ばいばい、津崎。



それは懸賞に応募するためのハガキで、お母さんはテレビ番組のプレゼント企画を見るたびによくこうして送っている。


「当たらないよ、どうせ」

私は手渡されたハガキをペラペラと揺らした。


「あら、アンタの部屋の扇風機は懸賞で当たったものよ」

「え、嘘?いつ?」

「いつだったかしらね。たくさん応募しすぎて忘れちゃったけど、意外と当たるのよ」

お母さんは鼻を高くしていて、「これとこれも」も台所にある洗剤やそうめんを食べるのに使ったお椀を指さした。


……そんなに当たってるなんて全然知らなかった。

ハガキをよく見ると凹凸のあるシールが貼られていて、当選するための工夫なのだろうか。私は詳しくないからよく分からないけれど。

私はそのあと洋服を着替えて、じりじりと太陽が照りつける炎天下の外へと出掛けた。


私の格好はTシャツにデニムのハーフパンツ。そしてウェッジソールの白いサンダル。

こんなに足をだすファッションは未来では絶対にやらない。

ストッキングを履くようになってから生足をだす自信はなくなってしまったし、仕事柄洋服を取り扱っているけど、なるべく体のラインが目立たないものばかりを選んでいる気がする。

やっぱり若さっていいなあ、と実感しながら、私は家から10分ほどの距離にある郵便局を自転車で目指した。