ばいばい、津崎。



「お前って、なんかヘンだよな」

津崎が考えるように私を横目で見ていた。


「え、ヘ、ヘンってどこが……?」

気難しそうと言われたことはあるけれど、ヘンなんて言われたのは生まれて初めてだ。けっこうというか、だいぶショックを受けてる自分がいる。


「俺と同じで喋るの得意そうじゃねーのに、昨日からペラペラ喋りだすし」

「そ、それは……」

「だってずっと〝私はお前たちとは違う〟って態度でお高くとまってたじゃん。だから急に人が変わったみたいだなって」


たしかに私はかなり鼻にかけた態度をしていたことに間違はない。

島育ちではない私を珍しい目で見る人たちは少なくなかったし、東京に行ったことがあるだけで『えー、じゃあ芸能人とかいっぱいいるんでしょ?羨ましい!』と、興奮する同級生を鼻で笑っていたことは事実。

今思えば、相当イヤな性格をしていたと思う。


だけど、一番驚いたのはそんな私のことを津崎が見ていたこと。私に対して関心なんてないと思ってたから、かなり意外だった。


「……変わったっていうか、大人になったからかな」


大人になったら丸くなるなんて言うけれど、今の私に当時の刺々しさはない。それでも成長したかと聞かれたら、きっとしていない。

それぐらい10年の月日はあっという間だったから。


「へえ、男いるんだ」

「え、いや、そういう意味じゃなくて……」

「ん?」

説明に困った私はもごもごと口ごもるだけで、うまく訂正することができなかった。そして空気を変えるように私は慌てて別の話をふる。