ばいばい、津崎。




「皐月と健太の関係がすげえ、羨ましかった。お互いに欠かすことのできない唯一無二って感じで。多分俺は健太と楽しそうに話している皐月を見て好きになったんだよ。だから今でも健太以上にはなれないし、勝てないなって思う」

「……哲平」


「本当は俺が幸せにしてあげられたら良かったけど、皐月の気持ちを無視して考えを押し付けるのは違うって思うから、俺は健太の代わりに皐月がどうやって幸せを見つけるかの見届けていきたいって、今はそう思うよ」


哲平が目を細めて柔らかく微笑んだ。


大切な私の友人。きっとこの絆も、津崎が残してくれたもの。


私は暖かくなる胸に手を添えながら、テトラポットに打ち寄せる穏やかな波の音に耳をすませた。



「哲平、私ね、過去に行ってたんだ」


美貴や剛にもいずれ話そうと思っているけれど、まず最初に打ち明けるのは私にまっすぐな想いを抱き続けてくれていた哲平だって決めていた。


「津崎の命は結局16歳のままで終わってしまったけど、悲しさだけが残らないように。悔いがないように、ちゃんと気持ちを伝えることができた」


だから今の私に、苦しさなんてひとつもない。

きみを思い出すだけで弱くなっていた私が、きみを思い出すたびに強くなっていくのだ。