雲行きは次第に怪しくなり、顔に当たる雨が多くなる。
私はまたすれ違いにならないようにとりあえず家に電話をかけて、うちに誰か訪ねてこなかったかお母さんに聞いてみた。結果は誰も来ていないとのこと。
と、なると、やっぱり可能性はひとつ。私は防水ではない携帯を手でかばいながら、剛に電話をかけた。
『もしもし』
「あ、剛?ひょっとして津崎と遊んでたりする?」
少し予定が違うけれど、津崎がひとりじゃないのなら問題はない。今日を乗り越えることばかりを考えていたから正直、私が津崎の家に行き、どうやって時間を過ごすのか、なんてそんなのは無計画だった。
それだけ私も焦っていたというか、とにかく今日が人生で一番重要な日といっても過言じゃないから。
みんなで過ごせば、あっという間に台風なんて消えてしまいそうだな、と思いながら私は言葉の続きを言う。
「私も今から行っていい?美貴や哲平もいる――」
『今日は誰も来てないよ』
「え?」
上空から強い風が吹き、側にあったポプラの木が大きく揺れた。



