ばいばい、津崎。



「万里子さんに毎月、仕送り送ってるだろ?」

万里子(まりこ)とは私の母の名前。 


現在は島で独り暮らしをしていて、パートナーはいるらしいけど私はまだ会ったことがない。

私が島に帰らない代わりにお母さんは年に一度、旅行もかねて私の家へと遊びにくる。いつも唐突に『来月行くねー』なんて言うから、休みのスケジュールを合わせるのが一苦労だ。


「べつに偉くないよ」

「いや、だって給料の半分以上送ってるって前に言ってたじゃん」


そんなこと話したっけ、と記憶が定かではないということは確実にお酒に気を良くして口が滑ったのだろう。

たしかにアパートの家賃と生活費を除いたほとんどのお金を仕送りしている。

物欲は少ないほうだし、趣味もなければ、家庭があるわけでもないから、使わないよりは使ってもらったほうがいいかなって、仕送りの理由はべつにその程度。


「親父さんは?」

「んー元気みたいだよ。最近は連絡とれてないけど」